魅力的な水準なった日本株
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魅力的な水準になった日本株

割高感解消される日本市場

 日本企業は利害関係者資本主義を目指し、経営者は株主からのチェックを嫌い法人間で株式を持ち合いし相互信任し、 経営についてはどこからもチェックを受けず責任を追及しない仕組みを作ってしまいました。株主総会が3分で終わる現象がこれを物語っています。 これにより、お互いの株式を持つため株式が水増しされた形になり、投資尺度の一つであるPERは米国では14倍〜20倍が適正水準とされていますが、 30〜70倍と大きくかけ離れてしまいました。さらに株主の利害を無視した時価発行増資などを積極的に行い、発行済み株式数が増加し、 水増しにより1株の価値が減少していきました。このような日本市場の歪んだ構造は、 投資部門別の株式保有において個人投資家が半数以上占めていたものが20%以下の水準まで低下しました。

日本のPER推移


 今で言うバリュー投資家のお目に適う割安な銘柄がなくなってしまったのです。しかし、1980年代後半のバブル崩壊まで、買うから上がる、 上がるから買うという本来の投資尺度が通用しない状況が続き、やがてバブルが崩壊することになります。不良資産は見直され、法人間で株式を持ち合いは解消し、 資産のスリム化が推進され企業が本業で利益をあげるために必要な最適な資産を保有し、経営目標も株主資本利益率(ROE)10%以上などグローバルスタンダードな目標を掲げる 企業が増えてきました。やっと割高感が解消され、まともな投資環境になった日本の株式市場は、バリュー投資家(投資価値が分かる投資家)が投資したいと思う水準、 割安感があり投資して満足のいく投資収益(果実)を得られる水準になって来たのです。  

株主資本主義

 近ごろ株主資本主義批判を耳にしますが、そのこと自体も資本主義そのものを否定するものだと思います。 米国のエンロン社、ワールドコム社の不正経理事件やホリエモン事件などで、「だからアメリカ風の経営は悪い」というのも短絡的見方でありますが、 それでは従来の日本的な経営が良いのかというとそうではないのです。株主総会が3〜5分で強引に終わらせ、株主に一言も発言させないのが日本の従来のやり方です。 しかも全社同じ日に一斉に開催し、配当金も利益のほんの一部で小遣い程度でした。素晴らしい経済成長した日本は世界第2位の個人金融資産を保有するようになったのですが、 一方で、個人株主比率が激減していったという悲惨な現象が起きました。株主とは資本の提供者でありいわばオーナーであり、本来の会社の持ち主です。 最終的な利益は株主に行くのは当然と言えます。日本は資本の理論が歪められた資本主義国でした。

 「法人資本主義」などの著者奥村 宏さんは資本主義には、株主資本主義と利害関係者資本主義の2つがあり、わが国は後者のタイプである。 株主は有限責任であり、たとえ倒産しても出資した金額がなくなるリスク(有限責任)以外、何ら責任は問われないことが株式会社の基本構造です。 株主は企業価値増大を目指すため経営者を厳しくチェックするのが本来の姿でありますが、わが国では、経営者が株主からのチェックを嫌い、法人間で株主相互持合いをし、 相互信任し、経営についてどこからもチェックを受けず責任も追及されない仕組みを作ってしまいました。このような「誰も責任をとらない会社」が無数に存在し、 著者はこれを「無責任資本主義」と定義しています。持合により仲良し大株主をでっち上げ、小株主は物申さず静かにしていなさいということになったのです。

 このような歪みは長続きするわけがなく、バブル崩壊後の不景気で株式持合い構造が崩れました。非効率な経営を行っている会社は株主により経営者が解任され、 より優秀な経営者が経営するということが本来の資本の理論であります。しかし、既存経営者が既得権を守るため、ただなんとなく「いやだ」という理由で 買収防衛策を打ち出しているのが現状です。 株主として発言力のある企業年金連合会はROEが3年連続8%以下の企業は、 納得のいく説明がなければ取締役再任に反対票を投じる方針を表明しています。

 生涯給与ランキングで上位企業の中でテレビ局は15位中4社が出ておりますが、ROEは8%以下の落第点です。 テレビ局はよく企業買収の対象となりますが役員と社員は仲良しで共にリッチであり、ニッポン放送が買収騒動の時、超豪邸の前で役員がインタビューされる光景が目に焼きついていますが、 株主は貧乏くじを引かされていることが下記の表で分かると思います。株主も役職員も皆ハッピーであれば問題はないのですが、 利害関係者資本主義、無責任資本主義は何かすっきりしないのは私だけではないのではないかと思います。

 年収5億円のみのもんたさんが「おくさん格差社会はいけませんね」と言っている番組があり、それを作成しているプロデューサーもとてつもない年収という矛盾があります。資本主義の魅力は努力した人は大きなリターンを得ることができることであり、問題なのは株主資本に対して低い利益率しか稼いでいないTV局の役職員がとてつもない高収入であることです。株主はなぜ怒らないのでしょうか。番組に関する不祥事などが起きると、 買収されて大きく変わったほうが良いのではないかと思うようになってしまいます。

生涯給与ランキングとROE         単位:万円

生涯年収ランキングとROE

中長期投資と短期投資の違い

 企業へ中長期的に投資すれば、企業は活動の成果としての果実(収益)を生みます。(成果を生まない企業もありますが)投資とは将来生まれるであろう 果実(収益)がどの程度大きくなるかを予測する行動であります。

 たとえば、株価が現在1000円、1株当り利益(EPS)100円、1株当り純資産(BPS)が1000円の会社の利益成長率が0%、10%、20%の場合、利益をすべて内部留保した場合に純資産がどのように増加するかを計算すると以下のようになります。各2倍、2.7倍、4.1倍となり、果実(収益)を受け取ることができます。

EPSとBPSの推移


 一方、短期投資は企業活動の果実(収益)が実る間もなく売買を行う行為であり、勝ち負けの世界、所謂、投機的売買とか0サムゲームということになります。 株価は1株の値段なので、利益も純資産も1株当りのものが分かりやすいのですが、これが、1株当り利益=EPS、1株当り純資産=BPSになります。上の表は配当がなく利益が全て純資産に内部留保された場合です。

  短期の売買は0サムゲーム 株式投資は短期投資の場合は、ディトレードのようにさまざまな情報や思惑で需給が変化し、株価が上下します。短期の売買は0サムゲームと言われ、「損した人の損益+儲けた人の損益=0」であり、誰かが勝ち誰かが負けるのであります。1時間や1日で企業が生み出す1株当り利益は0に近く、短期間のため企業活動の果実(収益)がなく、0サムな投機的な取引ということになります。プロのディラーやセミプロのディトレーダーと戦うことになります。投機的な取引は悪いと意味ではありません。このような人たちやいろいろな投資家がいて株価が形成されるのであります。

 10〜20年前に比べ株式市場の出来高は10倍以上になっています。個人投資家の6〜7割近くがインターネット証券からの注文という時代になっています。8割〜9割の投資家が短期の売買で市場に参加していると思います。しかし、プロ野球にたとえるなら松坂の投げた玉が打てるでしょうか。とんでもない直球、変化球、チェンジアップなどは目にも留まらない玉を投げられ三球三振ということになってしまうでしょう。株はそれほどプロとアマの差はないにしても、書店に山積みされているディトレーダーの本のようにはうまくいく確率は低いのです。

高ROE銘柄の中長期投資の魅力

中長期投資は果実(収益)が実る

 一方、中長期投資は上記の表のように企業は利益を生んでくれます。短期の売買のような0サムゲームではありませんので、長期的に見れば株主資本利益率(ROE)と投資パフォーマンスが近い値になるといわれております。 『1981年以降の25年間の配当込みの平均リターンは日本のTOPIX(東証株価指数)が5.1%、米国のS&P500種株価指数が12.5%。この間の平均ROEはそれぞれ5.1%、13.1%という結果になっています。「ROEを高めることが株主価値の向上につながる」という教科書通りの結果が浮かび上がる。』(日経金融新聞2007/4/13より) ROEの高い企業に長期投資したバフェットは1代で5兆円の資産を築き米国第2位の資産家になった話は有名ですが、王道はやはりこの方法ではないかと思います。

日米のROE推移

日米ROEと株式投資収益率


 企業の生み出す果実である利益を研究して投資をしていくと、先ほどのキーエンスのように10年で3倍などのケースはザラにあります。上の表の0%成長の場合でも10年で純資産は2倍、10%成長は利益が2.59倍、純資産は2.753倍、20%成長の場合は利益が6.19倍、純資産が4.115倍となり、株価も4倍、5倍、6倍、10倍も夢ではありません。

 「PER=株価÷EPS」とか「PBR=株価÷BPS」をはじめ、「EV÷EBITDA倍率」や「EV÷EBIT倍率」や「DCF」などの各投資指標をマスターしていただくと、投資の尺度が見えてくるようになります。 テレビの「なんでも鑑定団」のように、骨董品を見て「いい仕事していますね」とその物の価値を判断できるように、株式投資もその本質的な価値が判断できるようになりたいものです。

 収益性、成長性、ビジネスモデル、経営者の能力など投資家としてチェックしていくポイントとどのようなツールを使って分析を行うかを勉強していただきたいと思います。目指すは自立型自己判断型投資家です。賢い投資家を目指し一緒に勉強してみませんか。 自立型自己判断型投資家 私が証券会社で勤務していたころは、インターネット証券会社がまだないころですが、ほとんどのお客様が担当者の勧めた株式を買っていました。中には自分でしっかり研究しているお客様がいて、中長期のスタンスで信じられないぐらい儲けているお客様が、各支店に何人かはいらっしゃいました。株式部や調査部などの本社が推奨する銘柄よりもそのお客さんが買った銘柄のほうが、圧倒的に良いパフォーマンスであることが多く、その銘柄を他のお客様にお勧めしたことがあったぐらいすごかったのです。自分もしっかり勉強してこのような人になりたいなと思いました。

 多くの投資家があまり勉強せず、人が「これいいよ」といった銘柄や週刊誌、新聞などの情報を信じて株を買います。何がどのようによくて買うのかも知らず買うと、途中で情勢が変化した場合どのように判断してよいのか分からず「糸の切れた凧」状態になり痛い目にある場合が多いのです。自分の判断で、アクセル、ブレーキ、ハンドル操作ができるようにならないと株式投資はうまくいかないものであると思ってください。自立型自己判断型投資家を目指して勉強していただきたいと思います。

 それでも短期売買がしたい 「株式の売買を楽しみながら老後を過ごしたい。」という方もいらっしゃると思います。中長期投資を一部と短期投資を一部という形で分散するといいと思います。 先ほどは、短期投資は投機的で0サムゲームとである。プロには敵わないといいましたけども、プロとアマの差はそれほど大きくはないとも言いました。 ギャンブルと割り切ればこんなによいギャンブルもないと言うことになります。他のギャンブルは0サムゲームよりもっと率が悪いのです。 たとえば競馬は控除率が25%であり、つまり25%が胴元の中央競馬会に入り残りの75%が勝者と敗者で分け合う0サムゲームであります。 宝くじは控除率が約50%であり、「無知な人間に課せられた第2の税金」とまで言われています。宝くじ売り場で2万、3万、5万円と買う人を見て、 もう少し貯めて株式を買えば良いのにといつも思います。そこへ行くと、短期の株式投資は投資インターネット証券を使えば0.1%〜0.5%程度の手数料で参加できるのです。

 しかし、使用上の注意を自分でしっかり決めておく、自分自身のルールをしっかり作って守ることが重要であると思います。あまり熱くならず、 ほどほどにというのがゲームでは重要なことです。このような利益で家族や友人にちょいとご馳走するのも、投資の勝利妙味といえる満足感が得られます。 短期のテクニックもチャート(罫線)などありますので、勉強していただきたいと思います。                             

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